阿部・ティブシ研究室
情報セキュリティ分野は, 京都大学とNTTとの協力・連携のもとで発足し, 連携分野という形で京都大学内に設置されております.
研究指導はNTTセキュアプラットフォーム研究所の阿部正幸客員教授・ティブシメディ客員准教授が行います.
本研究室は，社会情報学コースの連携分野で，基幹分野はヒューマンロボットインタラクション分野（神田研究室）です.
研究内容
■安全なネットワーク社会を暗号で実現する
インターネットが最も重要な社会インフラの1つとなった現代社会において, 情報セキュリティは社会維持に必要不可欠な領域となっています.
暗号は情報セキュリティの根幹をなすものであり, 学術と社会の双方で古くから大きな需要を受けてきました.
例えば, 情報の完全性を保証するためにデジタル署名技術や, 秘密情報を知っていることを相手に公開せずに証明するゼロ知識証明, 分散されたコンピュータが互いの秘密を明かさずに演算を実行する秘密計算は特に注目しているテーマです.
こうした技術はブロックチェーンやそれを利用した暗号資産, 電子決済や電子投票に利用されています.
本研究室では, そうした技術領域について基礎的な安全性理論から応用的なプロトコルの提案まで幅広く研究対象としており, 現代暗号技術から量子コンピュータの時代に向けた耐量子暗号(Post-Quantum Cryptography)までも見据えています.
また, こうした技術提案は実装の際に理論とは異なる側面の安全性懸念を抱えていることがあります. こうした実装上のセキュリティ評価を行うことも本研究室の重要なテーマとしています.
(参照: 量子計算機が普及した環境を想像して, それに耐えることができる暗号の基礎理論と応用技術の実現をめざす(阿部 正幸, 2024))
Below is the English Translation:
In modern society, where the Internet has become one of the most important social infrastructures, information security has become an indispensable field for maintaining society. Cryptography serves as the foundation of information security and has long been in high demand in both academia and society.
For example, technologies such as digital signature techniques to guarantee the integrity of information, zero-knowledge proofs to prove knowledge of secret information without revealing it, and secure computation that enables distributed computers to perform calculations without disclosing their secrets are particularly noteworthy themes. These technologies are utilized in blockchain, cryptocurrencies, electronic payments, and electronic voting.
In our laboratory, we conduct extensive research on these technical fields, ranging from fundamental security theories to the proposal of applied protocols. Our focus spans from modern cryptographic technologies to post-quantum cryptography, which anticipates the era of quantum computers.
Additionally, the implementation of such technologies may involve security concerns that differ from theoretical perspectives. Evaluating the security of implementations is also a significant theme in our laboratory.
研究生活
研究室は「吉田キャンパス総合7号館401室」です. 日本国内外からセキュリティに関心のある学生が集まっています.
博士課程, 修士課程問わず, 研究成果によっては海外で開催される難関国際会議にも挑戦する機会があります.
